【令和6年度】
11月17日 「科学へジャンプ イン 北陸 2024」
「科学へジャンプ イン 北陸」 今年も富山県立大学を会場に行われました。
文部科学省のサイトには「(科学へジャンプは)平成20年(2008年)から始まった事業で視覚障害のある生徒たちに科学の面白さを知る体験・実習や、IT活用による新しい可能性の広がりを感じ取る機会を提供することを目的としている」「同学年の視覚障害のある生徒同士の交流、先輩との交流などの機会となることも目指している」などと書かれています。また、視覚障害のある生徒たちのための「科学へジャンプ」全国ネットワーク代表 鈴木昌和さんは「科学へジャンプとは、チャレンジしてほしいという願いを込めた活動」とも書いていらっしゃいます。「科学へジャンプ イン 北陸」に関しては、富山県立大学が中心になり継続して実施されています。Web上では、2011年度からの取組の様子を閲覧できます。
今年は、石川県立盲学校・富山視覚総合支援学校から計7名の児童生徒の参加がありました。本校から参加した4名の児童生徒は、ふだんと違う環境の中で、初めて接する仲間と一緒に、「生成AIと仲良くなろう!」「動物の秘密をさぐろう!」のワークショップで、少し緊張した表情ながらも活発に活動していました。(活動の様子はHPに近々アップされると聞いていますので、どうぞそちらもご確認ください。)
午後には、ワークショップと併行し、保護者向け企画としてざっくばらんな意見交換が行われました。司会は、インテック先端技術研究所の守井清吾さん(本校の卒業生、幼児児童生徒の大先輩です)、 講師は一般社団法人With Blindの國宗陽介さんでした。視覚障害者である國宗さんからは「親になって初めて分かった、親って忍耐力が必要だ。」「(親の役割として)子供のしたいことを引き出すこと、(親自身が手助けすることが)難しかったら、関係のある人につないでくれたらいい。」など、親御さんへあたたかい励ましのことばをたくさん伝えてくださいました。
この日の閉会式で、参加したある児童の第一声が「つかれた~。」でした。たくさん聴いて、触れて、感じて、考えて、伝えたからでしょうね。わっと歓声が上がりました。知る、わかるという体験を通して、おもしろい、またチャレンジしてみたいという気持ちが高まったことや、他校の児童生徒・スタッフの方々との交流が深まったことなど、たくさんの成果がありました。そして、子供たちだけでなく参加した全員が、楽しかった気持ちやたくさん話ができてうれしかった気持ち、新しいつながりができた心強さなどを感じた一日になったことと思います。
富山県立大学の先生方や学生さん、各種団体からの講師の方々、ボランティアのみなさん、今年もありがとうございました。この場をお借りし、感謝申しあげます。
【國宗さんについて、こちらからも知ることができます】
■オンラインスクールWith Blindのページ
https://school.with-blind.com/
■NHKラジオでインタビューを受けた時の録音データ
https://www.nhk.jp/p/shikaku/rs/NYR99L5P4X/blog/bl/ppX7oj4ZoA/bp/pY78dqEBjw/
11月14日(木)15日(金)
第17回北信越盲学校サウンドテーブルテニス大会
本校を会場に、北信越地区5校(長野県長野盲学校 長野県松本盲学校 新潟県立新潟よつば学園 石川県立盲学校 本校)によるサウンドテーブルテニス大会が行われました。サウンドテーブルテニスとは、小さな金属の球が入ったボールの音を手がかりに競技する卓球です。
静かな会場の中、選手たちは音をよく聴き分けて球の位置や速さなどをつかみ、相手に打ち返していました。皆よくルールを理解し、作戦を立てて、緩急をつけたサーブやレシーブで試合を有利に運ぼうと戦っていました。緊張感が会場いっぱいにみなぎっていました。
試合ですので、勝ち負けがあり、うれしい気持ちも悔しい気持ちも当然ですが、静かにかみしめている様子が印象的でした。相手がいたから分かった自分の強み、又は弱点を受け止め、ここからまた、次の目標が生まれてくるのでしょう。一方で、相手を称えたり、励ましたり慰めたりする姿もたくさん見ることができました。試合補助を担当していた生徒は選手の気迫あるプレイにとても感動したことを伝えてくれました。
今年はオリンピック・パラリンピックで、世界のアスリートの素晴らしい競技を見ることができましたが、この大会でも、選手たちの素晴らしい熱気あふれる試合を間近で見ることができ、月並みな言葉ですがたくさんの感動をもらいました。選手、監督、役員の皆さん、大会を運営してくれた本校の皆さん、本当にありがとうございました。
9月22日(日) 富山県障害者スポーツ大会(フライングディスク競技会)
あいにくの雨ふりでしたが、予定どおりにフライングディスク競技会が行われました。本校からは、中学部・高等部の2名の生徒が参加しました。今回の大会では、ディスタンス競技のほか、アキュラシー競技も実施されました。
結果はさておき、2名の生徒は、競技の間に久しぶりに会う他校の生徒と話をしたり、本校の先輩方からの激励を受けたりと、普段はなかなかできないことを体験してきました。本人たちの持ち前の朗らかさや積極的な性格もあり、目上の人や知らない人とも関係をつくっていこうとする力に頼もしさを感じました。
目標としていた記録を達成することができず悔しい思いをした一方で、人とのつながりを深めたり増やしたりできたことは、生徒たちにとっていい一日になったに違いないと考えながら会場をあとにしました。
7月4日(木) 応援給食 ~「お話と弁論の会」によせて~
きょうの給食は、岐阜県のご当地メニュー(友禅ごはん、鶏ちゃん焼き、すったて汁)でした。明日、岐阜盲学校で行われる、中部地区盲学校「お話と弁論の会」に参加する専攻科の生徒を応援する気持ちが込められていました。
「お話と弁論の会」は、長い歴史のある行事です。中部地区の各校から弁士が集まり、制限時間7分間の中で、聴衆に自分の考えや思いを心を込めて伝え、順位を競います。今年の開催は県外のため、専攻科の生徒を直接応援することはかないませんが、給食のメニューを通して「頑張ってきてください」と全校で応援しました。生徒自身が、練習の成果を発揮して、「自分の思いを聴く人にしっかり届けられた」という満足感をもって学校に帰ってきてほしいと願っています。
一方で、在校生にとっては、富山県民が好んでよく食べるメニューがあるように、岐阜県にもそのようなメニューがあることやいわれなどを知り、自分の住んでいる地域以外の食文化にふれる学習の機会となりました。
6月21日(金) 日彫北陸展
昨年度、北陸日彫会さんとのご縁で、「『ふれてみる』鑑賞会」を本校で行い、これがきっかけとなり、全校幼児児童生徒が粘土等で造形作品をつくりました。
制作した作品は、県民会館で開催された「日彫北陸展」に展示され、この日みんなで作品鑑賞に行きました。展示作品のほとんどに「触れてよい」ことになっていて、実際に触れて手触りの違いや質感、音色を感じ取って鑑賞することができました。
彫刻家の皆さんの大作が並ぶ中、本校の子供たちの作品も、どれも個性豊かで味わいのある作品ばかりです。日彫会の方々からは「子供たちの手が、『目』になっているのですね、手で触れて感じたことを作品に生み出せる子供たちはすばらしいですね。」とたくさん褒めていただきました。
校外での活動において、子供たちの作品が多くの人の心に届き、心を動かしたことを知る経験は、またひとつ子供たちの成長を促すものとなりました。
最後になりましたが、お声がけいただいた北陸日彫会の皆さまに深く感謝申しあげます。
6月13日(木) びわの季節
中庭に大きなびわの木があります。今年は大豊作とのこと、今、まさに収穫の時期です。「高価なくだもの」のイメージがありますが、本校では手を伸ばせば、すぐに触れることができます。
幼稚部・小学部の子供たちが、かわるがわるやってきて、顔を近づけてよく見たり、実や葉に触ったり、においをかいでみたり、実をもいだりしています。それぞれが感じた「びわ」を思い思いの言葉で表現している姿からは、身近な植物の観察をとおしてたくさんの気づきを発信していることが見てとれます。
過去の「校長室だより」にも「びわ部」と題したページがあります。先輩たちも、この時期にびわの観察や収穫をしていたことが綴られています。こうして、毎年びわが実る頃にたくさんの子供たちが木を囲み、生活と結びついた学習を行ってきました。今も変わらぬ学びの姿が見られています。
5月25日(土)
天候にも恵まれ、おかげさまで運動会を無事に終えることができました。
本校の運動会は、音を手掛かりにして自分で考えて走る方向や投げる方向を決めたり、スタートからゴールまでの所要タイムをあらかじめ自分で決め、そのタイムを守れるようにペース配分したりして臨みます。今年も、こういった工夫をしながら競技を実施しました。また、高等部の生徒たちは、選手宣誓やあいさつの言葉を考え、何度も練習して、当日は堂々とその役割を果たす姿がみられました。
一人一人の競技に、来賓の方々や保護者の皆様、教職員そして子供たち全員があたたかい声援や拍手を送りました。グラウンドの全員の心がひとつになったようで、ほかほかした気持ちでいっぱいになりました。
目標どおりに力を発揮できたり、役割を果たせたりして、周囲からたくさんの称賛を受け、幼児児童生徒の心の中に自分を誇らしく思う気持ちが、また一つ積み重なったことと思います。
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