校長室だより

3月31日
本日で私の勤務は最後となりました。今年度をもって定年退職です。本校で校長としての勤務は2年間でしたが、この2年間はコロナに翻弄されながらの学校運営でした。感染の波は予測不能で学校行事を延期したり、規模を縮小したりと変更せざるを得なかった状況は、幼児児童生徒の学校生活にも影を落としたかもしれません。それでも今年度は、新型コロナウィルスの傾向と対策が解明されてきて、ほとんどの学校行事を実施することができました。
中でも、高等部普通科や理療科では、卒業後の進路先となる就業体験を行うことができ、こころよく受け入れてくださった事業所の皆様には心より感謝申し上げます。卒業生は引き続き皆様方のお力添えのもと、社会の一員として就労できることを喜びとして、頑張ってくれることと思います。
また教育振興会の皆様には、2月の総会でやっとお目に掛かって感謝をお伝えすることができ、私自身安堵いたしました。今後とも引き続き、本校へのご支援をよろしくお願いいたします。
保護者の皆様、どうもお世話になりました。微力ではありましたが子供たちの成長をお手伝いすることが私の心の支えでありました。いつも元気をくれた幼児児童生徒にも心より感謝申し上げます。学校を離れてしまいますが、子供たちの成長を応援しております。
そしてこの2年間、お目に掛かることが叶わなかった関係団体の皆様、来年度こそ連携させていただけることを希望しております。
教員生活の最後がこの学校で本当に幸せだったと思います。先に勤務しました7年間と合わせて9年間、たくさんの勇気と元気と思い出をもらいました。皆様、どうもありがとうございました。


3月9日(木)
いよいよ、卒業式が明日となりました。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。長い人で15年、短い人で3年、本校で過ごした時間は違いますが、7名が高等部を卒業し、社会に羽ばたきます。
今日は3月9日、レミオロメンの歌を思い出します。歌詞にありますように
「新たな世界の入口に立ち気づいたことは 1人じゃないってこと」
学校はこれからも皆さんをずっと応援しています。自分らしく人生を歩んでいかれることを祈っています。


1月27日
本日、体育館にボルタリングの壁がつきました。これは公益社団法人富山法人会様から寄贈いただいたものです。パラクライミングというスポーツもあり、視覚障害のある人が手足をつかって上っていくスポーツで、体幹が鍛えられます。色別のホールドが打ち込んでありますが触って分かるように色ごとにネジの数を変えるという配慮をしていただきましたので、ホールドを手で触って色を確認できます。「緑だけを上って」などゲーム感覚で取り組め、上るだけでなく横移動もできるようです。早速、小学部の児童が体験しました。過去に体験したことがある子は身軽にスイスイと上っていきましたが、体幹だけではなく柔軟性も必要となることが分かりました。床に敷くウレタンマットもいただき、安全に体力つくりに活用できます。小林幸一郎さんというパラクライミングの第一人者がおられますが、子供たちには、自分に壁を作らずに何にでも挑戦し、この壁をも乗り越えてくれることを願っています。


1月23日
今年度の給食週間が始まりました。今年のテーマは「まんがやアニメに登場するあなたが気になる料理」ということで、「ルパン3世」「鬼滅の刃」等と関連したメニューです。
私自身、お話しの中の食べ物をあまり、気にしたことはありませんが、給食に毎日出されるアイデア満載のメニューにワクワクでした。きっと幼児児童生徒の皆さんも給食がますます楽しみなものになったに違いありません。印象的だったのは「となりのトトロ」に出てきたきゅうりを丸かじりした場面から、一夜漬けのきゅうりが1本どーんと出たことです。衝撃的でした。
そして、毎日おいしい給食を作ってくれる調理員さん、栄養教諭さんに感謝です。いつもありがとうございます。子供たちの作品も展示してあり、給食が大好きなことが伝わってきます。


1月16日
令和4年度第3学期が10日、スタートしました。先週は書き初め大会を行い、各自が思いを込めて、作品を仕上げました。今年は卯年ということでうさぎに関するものが多くあったように思います。
始業式では、今年の干支であるうさぎにちなんで「うさぎの坂道」の話をしました。後ろ足が発達しているうさぎは、ぐいぐいっと坂道を上ることから、物事がトントン拍子でうまくいくことを表しています。幼児児童生徒の皆さんも力強く上を目指し、トントン拍子でうまくいくことを願っています。しかし努力は必要です。「うさぎの昼寝」のように油断するとうまくいくことも失敗します。地道に確実に、より上を目指すよう、この新年の節目に当たり清々しい気持ちで目標をもってほしいと思います。


11月7日
今日は立冬、朝晩はめっきり寒くなりました。
先週、栃木県で行われました全国障害者スポーツ大会では本校の選手2名が素晴らしい結果を収め、金メダルを獲得しました。2日に行った報告会では受賞の喜びとそしてこれからの数年先にも気持ちを向けて目標を語ってくれました。大変誇らしい限りです。まさに生涯スポーツで、勝負ももちろんですがスポーツの楽しみ、健康に向けた取組を実践してほしく思っています。昨日行われた富山マラソンでは、視覚障害者の選手が数人おられました。伴走者と共にゴールされる姿を目の当たりにして私は胸が熱くなりました。なんと全盲のバイオリニストの穴澤雄介(47)さんも参加されて、完走されたとのこと。数年前、本校の幼児児童生徒を演奏会に招待をしてくださった方です。北日本新聞によりますと「景色が見えなくても自然の匂いや音から風景を感じて開放感を味わえる」とのこと。本校の生徒もチャレンジする気持ちをもってほしく思います。


10月28日
令和4年度全国障害者スポーツ大会が明日より栃木県で開催されます。台風やコロナで中止になっていて2018年の福井大会から4年ぶりの開催です。本校からは高等部普通科1名、理療科1名の2名が選手に選ばれました。「いちご一会とちぎ大会」いいネーミングですね。いちご王国、栃木県のおもてなしの温かさも感じます。全力で競技に挑み、そしてスポーツを楽しんでくれることを願っています。生涯スポーツとよく言われますが、視覚に障害があると体を動かすこと、定期的にスポーツに取り組むこと等が困難になりがちです。スポーツに限りませんが、何か自分が楽しめることをできれば在学中にみつけてほしいと思います。二人の選手は県大会に出場したからこそこのような機会が与えられたので、「まずは、チャレンジすること」これ、大事です。二人の選手の活躍を富山から応援します。


10月25日
先週、学習発表会を行いました。感染状況は相変わらずでなかなか終息には向かいませんが、久しぶりに全校幼児児童生徒が体育館に集まって、一緒にステージ発表を行いました。
これまで学習したことを盛り込んで、演技や歌、作文の発表、課題発表など、緊張しながらも楽しんで発表してくれました。
そして、YOUTA(ユウタ)さんによるピアノコンサートも行いました。YOUTAさんは本校の卒業生。4歳で失明し、そこから音楽への関心が一層高まり、現在作曲はもちろん、音楽活動のプロデュースなども手掛け、多様な才能を発揮しています。ダイナミックかつ繊細な音色に魅了されました。
彼は「夢をもって」と私たちに語ってくれました。一日一つの小さな夢を叶えるようにし、いずれは大きな夢を成し遂げようとしている姿に大きな感銘を受けました。日曜夜8時、大河ドラマにYOUTAさんの曲が流れることを楽しみにしています。全校あげて応援しています、頑張ってください。


9月1日
今日から2学期が始まりました。
今年の夏は、新型コロナウィルス感染症の爆発的増加があり、過去最多の感染者数は驚異的でした。感染症対策をしていても感染経路不明も多く、罹患は避けられない状況でありました。また猛暑に、豪雨にと、大変なことが多くあった夏でした。
そのような中、数名の高等部生徒が就業体験に臨みました。卒業学年も、そうでない学年も進路を考えるよい機会となりました。コロナ禍において就業体験を引き受けてくださった事業所の皆様には感謝申し上げます。教科書からの学びにはない貴重な体験をさせていただきました。これを機会に自分の将来を考え、目標をもってほしいと願っています。
始業式では、「皆さんもいつかは大人になる。誰かのためになったり、役に立ったりする人、そして人からありがとうを言われる大人を目指してほしい」という話をしました。

今日9月1日は「防災の日」。始業式のあとシェイクアウト訓練からの避難訓練を行いました。今回は地震により津波が起こり、常願寺川が氾濫したという想定です。豪雨による川の氾濫はこの夏にも全国で起こっており、富山市内でも浸水した地区があり、近くの小学校でも被害があったようです。災害はいつ起こるか分かりません。一人でいるときもあるでしょう。子供たちには真剣に取り組んでほしい課題です。防災の日を機会に、居住地の避難場所や、持ち出しグッズなど家族で確認されてはいかがでしょうか。
「備えあっても憂いあり」完璧はありません。自分の身を守る自覚をもってほしいものです。


6月30日
令和4年がちょうど半分終わりました。
今年は一体どうしたことでしょうか。先日梅雨に入ったばかりなのに、もう梅雨が明けたとか。そして毎日猛暑が続いています。
先週は、3年ぶりに第7回北信越盲学校フロアバレーボール大会が金沢市で行われました。これは全国大会の予選を兼ねている大会で、コロナ対策を万全にして実施に至りました。残念ながら新潟(この4月から新潟よつば学園となった)の参加はなく、石川盲、松本盲、長野盲、そして本校と、4校の総当たり戦。本校からは7名の選手が大健闘し、準優勝という成績を収めました。山口で開催される全国大会出場は、一時の夢で終わりましたが、ケガもなく帰ってきてくれて、選手たちの顔は、達成感にあふれるものでした。「楽しかった」「頑張った」思い出を胸に、これからの学校生活や社会生活に活かしてほしく思います。
障害のためにスポーツから遠ざかっていた人、できないと思っていた人、あきらめかけていた人・・・決してそうではありません。楽しめることをみつけましょう。何かをやり遂げた経験は人を成長させてくれます。北信越盲学校の選手の皆さん、お疲れ様でした。主管校の石川県立盲学校の皆様、関係機関の皆様、どうもお世話になりました。


6月3日
早いもので令和4年度はもう2か月が経ちました。いつの間にか季節は初夏を通り越して、真夏のように気温が高い日が続いています。本校では、先週の土曜日に運動会を行いました。久しぶりに青空にはためく万国旗。致し方なく参加人数の制限をしましたが、幼児児童生徒の頑張る姿、成長をご覧いただけたのではないでしょうか。運動会競技を見ていても、いろいろな感覚を使っている子供たちの才能には感心します。そして家族の皆様にも競技にご参加いただきまして感謝申し上げます。おかげさまで笑顔あふれる楽しい時間を過ごすことができました。どうもありがとうございました。


4月20日
令和4年度1学期がスタートし10日ほど経ちました。今年度も引き続き校長を務めますので、皆様よろしくお願いします。
桜もあっと言う間に葉桜になり、今はチューリップやスイセンが色鮮やかに咲いていて、田んぼや畑では収穫に向けての作業が始まったようです。過ごしやすい季節でもあり、幼児児童生徒の皆さんも一年のスタートとして、期待と意欲をもって充実した学校生活を送ってほしく思います。
さて、正門に門扉が設置されました。手動式で、学校に出入りの際には開閉していただくことになりました。ご面倒をお掛けしますが、子供達の安全のためにご協力をお願いします。
新型コロナウィルスはまだ収束しない状況です。感染対策により引き続き制限のある学校生活になると思いますが、その時々で幼児児童生徒のための最善を尽くしていきます。今年度も保護者の皆様、地域の皆様、関係機関の皆様、本校教育にご理解ご協力をお願いします。


3月11日(金)
本日は第90回卒業式を行いました。春の日差しも暖かく、お天気にも恵まれました。感染症対策として来賓の参加はご遠慮いただき、在校生は分散してリモートにて参加するという、コロナ禍における卒業式の定番スタイルとなりました。
本校を巣立っていく幼児児童生徒は、進学するもの、就職するもの、他校へ入学するもの等、それぞれの道を歩んでいきます。先が読めない時代ではありますが、自分らしく、誇りをもって自分の人生を歩んでほしいと願っています。
さて、卒業式に彩りを添えてくれたのが平成ライオンズクラブ様から寄贈いただいた花束やアレンジメントフラワーでした。コロナ禍において交流活動ができなくなったため、富山地区の特別支援学校に「花の寄贈」という形でご支援をいただいたのです。美しい花々のおかげで卒業式がより華やかになりました。平成ライオンズクラブ様、どうもありがとうございました。
たくさんの方々からの支援を受けて成長した皆さん、これからの人生が心豊かで、実り多いものであることを祈念しています。


2月4日(金)
早いもので新年を迎えてから1か月が経ちました。今日は立春です。まだまだ寒い日が続きますし、警報級の大雪という予報も出ています。
オミクロン株は猛威をふるい、学校としてはとても大事なこの年度末において、感染症対策のために教育活動の制限をせざるを得ないことが大変残念です。学校はどうしても人と人との距離の確保等、困難なことが多く、それでも教職員の工夫で何とか乗り越えています。
1月には給食週間がありました。黙食も徹底している本校です。テーマに基づいた特別食をおいしくいただきましたが、以前のように皆で感想を言い合うこともできず、非常に寂しさを感じました。今は幼児児童生徒の健康と学校の安心安全を守ることを最優先に、教育活動を続けます。心から晴れ晴れできる春が必ず訪れることを信じて。


バックナンバーはこちら